【動画】『魔術師』サントロに学ぶ、常識を取っ払った勝利への執念

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テニスで試合に勝利するためには、時として自分の理想のプレーを犠牲にし、泥臭く戦わなければなりません。

今回ご紹介するフランスの元プロテニス選手、ファブリス・サントロは、『魔術師』の異名を持つ変則的プレーヤーです。決してロジャー・フェデラーのように、爽快なエースを量産して勝つスタイルではありません。

勝利するために、自身の個性を生かす最も適切な戦術を身につけ、時に華麗に、時に泥臭く戦います。

戦術ももちろん面白いのですが、そのプレーする姿勢は、勝利を目指すテニス選手にとってとても良い刺激になります。

『魔術師』サントロを、プレー動画と併せてご紹介します。

徹底的に自分の土俵に持ち込む

こちらの動画は、サントロ vs ナルバンディアン戦でのシーンです。


Original:piercemary

強力なストロークが武器のナルバンディアンに対して、真っ向から打ち合っても勝機はありません。

サントロはサーブと同時にネットにダッシュ、その後は徹底的にドロップボレー&ロブを続けて、ナルバンディアンを前後に揺さぶります。

結果、このポイントではナルバンディアンは一度も構えてストロークを打つ事が出来ず、サントロがポイントを取ります。

どこかで一球、深いボレーを打っても良さそうな気がしますが、サントロはあえてドロップボレーにこだわり続けました。

もちろん世界最高峰のボレー技術があってこそ可能なプレーですが、自らの得意な土俵に、何が何でも引きずり込もうとする、その徹底ぶりに驚かされます。

ボールが2バウンドするまで、決して諦めない

こちらは、ロジャー・フェデラー戦のシーンです。


Original:TennisJet

普通のプレーヤーだったらあっさり決まっているようなフェデラーの攻撃を、サントロは諦めず走って拾い続け、最終的に粘り勝ちます。

トッププロのスマッシュは時速200キロにも達しますので、スマッシュの構えをした時点でポイントを諦める選手も多いのですが、サントロは決して諦めません。

また、カウンターで無理して一発を狙うような事もしません。自分からは絶対に諦めないし、ミスしないぞという気迫が、あの王者フェデラーにもプレッシャーを与え、ミスに繋がったのではないでしょうか。

勝つために身につけた様々な球種

サントロは身長177センチと、テニス選手としては決して恵まれた体格ではありません。

それでも勝つために、サントロは常識を取っ払った様々なテクニックを身につけています。

この動画では、サントロのオリジナリティ溢れる球種の一部が確認できます。


Original:vlad shubaderov

サーブ後のラリー戦は、全て意図を持った別の球種です。

1球目は、サントロの代名詞でもある、両手打ちフォアの滑るスライス。

2球目は、1球目と全く同じフォームから繰り出される、止まるスライス。

3球目は、続けて相手のバックに向かって緩急を付けるための、低い弾道のスピン。

4球目は、相手の足下を狙った、スピンのショートアングル。

5球目は、もし拾われてもまた相手の足下にいくようコントロールされた、正確なタッチショット。

そして6球目は、股抜きショットでベースラインぎりぎりに落とすロブ。

いかがでしょうか。

誰しもが一度は、フェデラーのような美しい攻撃テニスに憧れますが、もちろん全員がフェデラーになれるわけではありません。

独自のスタイルを築き上げ、ひたむきに戦い続けるサントロのテニスからは、内に秘めた勝利への執念がひしひしと伝わってきます。